第15章 【どうしてこうなった】前編
青葉城西高校の校門前に到着した頃には美沙は息を切らせてフラフラ状態だった。更に足を踏み入れると休日の部活に来ているらしき連中が少ないながらもいてハアハアと息を切らせながら歩いている電脳少女をチラチラと見ている。何あれうちの生徒かなてか電脳少女てと言っているのが聞こえるが無視して体育館らしき建物を見つけてそこへ向かう。反射的に来たはええけどもしドア閉まってたらどないしょう、開くまで待ってみるか、あかんかったらそっと帰るしかないか。そう思ってとにかく歩きしかしとうとう辛抱たまらなくなってろくに回復していないのにまたバタバタと走り出した。
体育館らしき建物が近づく、入り口のドアが少し開いている。美沙はコソッと中を覗き込む。すぐに知った顔を見つけた、及川と岩泉だ。更に隙間からかろうじて烏野の一行が見えた。ほんの少しだけ美沙は足踏みし、しかし次の瞬間には腹をくくった。
「失礼しまーすっ。」
ドアの隙間を広げ顔を突っ込み、関西弁の抑揚が隠しきれないまま縁下美沙は声を張り上げたのだった。
次章に続く