第11章 ・おかしな届け物
次の日である。
「山形、携帯を忘れるのはやめろ。」
朝練前に若利が言った。
「お、おう。でも若利にまで念押されるとは思わなかった。」
「万一次やって文緒が怪我をする方に繋がった時は許さん。」
まさかの若利の発言にチームの連中は一瞬固まって顔を見合わせる。血の気が引いた山形はマジ悪かったと謝り倒し、その日の昼休みに1-4にいる文緒の所にすっ飛んで行ったという。
「兄様、山形さんに何か仰ったのですか。昼休みに教室に来られて昨日の件で謝り倒された上、飴をいただいたのですが。」
「心当たりがない。」
「そうですか。」
若利は珍しくごまかしているのがまるわかりで何だかおかしいなと文緒は思ったがとりあえずもらった飴は有り難く食することにした。
次章に続く