第49章 ・TVゲーム その1
カオスな勝負、第二ラウンドである。
「うわ、大平さんの積み方やべえ。」
「それほどでもないよ、太一。それより若利もう慣れたのか。」
「思うより難しくなかった。」
こっちの野郎共は比較的静かである。約1名言葉が極端に少ない奴と普段は大人しいのがいるからか。しかしそれも束の間だった。
「うー、何かポロポロ妨害来るなぁ。大平さんっすか。」
「俺じゃないよ。」
「俺でもない。」
「となると1人しかいませんね。」
「申し訳ありません。」
苦笑して呟いたのは文緒である。
「何分パッドになれなくて連鎖がうまく行かないんです。」
「いやこれ地味にきついんですけど。」
呟く川西の横で若利がむ、と唸った。
「起爆箇所が埋もれたか。」
何となく背中からモヤモヤしたものを醸し出す若利に観戦している天童がドンマイと言う。
「あるよねー、相殺しきれなかった妨害分が丁度連鎖組んでる途中にポコンてハマること。」
「文緒、こんなとこでも天然かよ。」
「というかあいつホントにゲームやってたのちょっとだったのか。」
白布の意外なコメントに山形がえ、と言う。
「急にどうした。」
「小連鎖とはいえ積み込みスピードがちょっとやってた程度じゃありませんよ。」
「文緒は実は強いって事ですかっ。」
「今回については有り得る。」
「なにそれワクテカじゃん。」
文字通り天童がワクワクテカテカしている中、第二ラウンドは続く。
「すまないね、お先。」
「何て事。」
「やっぱり大平さんエグいっす。」
「俺は問題ない。」
「もう相殺始めたか、若利は流石だな。」
「文緒さん、生きてる。」
「まだおりますよ、川西さん。」
「頑張ってるな、って」
この時までわりと静かだったプレイヤー側だったが、川西のゲッという声で状況が一変した。