第46章 ・実害報告
その頃文緒は文芸部にてくしゃみをしていた。
「風邪ひいたのかな。嫌だな、兄様にうつったら困るのに。」
ポソリという言葉に文芸部の3年がクスクス笑う。心配はそっちなんだと言われ文緒はキョトンとした。
「だって兄様にうつったらバレー部の皆さんにも迷惑がかかりますから。」
話を聞いていた3年はよく出来た嫁だと言って文緒は慌てた。
「嫁じゃありませんっ。」
残念ながら納得してくれる部員はおらずいいなああんな格好いい旦那、文緒さん羨ましい、末長く爆発しちゃえなどと悪意はなく笑いながら好き勝手言っている。
「立派なとこは立派なんだけど」
文緒はポツリと呟いた。
「どうにも天然ボケな人で。」
文芸部は一瞬シィンとなる。
「あら、どうされました。」
文緒がキョトンとしていると文芸部の1年がボソっと言った。
「何て事っ。」
あんたが言うなと突っ込まれて文緒は飛び上がったのだった。
次章に続く