第44章 ・義妹の反抗 その2
「これは帰ったら仕置が必要か。」
「いらねーよ、馬鹿。だからちっさいガキ扱いすんなっつの。」
「文緒さん、ますます成長しましたね。」
「何で太一がしみじみするんだよ。」
「何となく。」
「馬鹿だろ。」
川西と白布がやり取りしている間、若利は携帯電話の画面をじっと見つめている。
「不快だ。」
呟く若利の眉間には皺がよっていた。
その頃、
「ま、負けない。」
逃げだして先に家路についていた文緒は独りごちていた。他校にまで天然お嬢様呼ばわりされているのだ、これ以上外から隔離されて自分の世間知らずがひどくなっては目も当てられない。
「こればっかりはちゃんと抵抗しないと。」
静かに決意を固める義妹であった。
次章に続く