第43章 ・義妹の反抗 その1
「恐れ入りますが道をあけて頂けますか。」
ササッと野次馬は道をあけて文緒は高速で去っていった。
「不満そーな顔すんな、馬鹿。」
黙って何かの雰囲気を醸し出す若利に瀬見は言った。
そうして始業の鐘がなり、野次馬していた連中は教室に戻っていき、若利も教室に戻る。
「おい、これあとどーなるんだ。」
げんなりした顔で山形が言った。
「まあ当面は噂になるよね、若利君が嫁を束縛してますって。それともロリコン疑惑かなぁ。」
「胃が痛くなってきた。」
「誰か獅音に胃薬あげて。」
「俺マジ教室戻りたくねー。」
「山形は若利に存分に文句言っとけ。」
「首傾げるのが目に見えてる。」
「若利も無関心から随分極端になったなあ。何でだろう。」
やれやれとため息をつく大平に天童が答えた。
「ロリの癖に何となく若利君の事察して尽くしてくれて相手してくれるのがわかったからじゃないの。あ、ロリはロリでも合法ロリか。」
「天童、それ文緒の前で言うなよ。」
「英太君は文緒ちゃん萌え続いてるねー。」
「爆竹鳴らしてやろうか。」
「それさとり(覚)違いっ。」
そんな迷惑千万な兄妹喧嘩はまだこれからである。
次章に続く