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【ハイキュー】ウシワカイモウト

第32章 ・【外伝】東京にて


木兎が呟いて肩を震わせ、黒尾はニヤリとして追加情報を繰り出す。

「一時(いっとき)、帰る時は兄貴にメール入れさせられてたって話もある。」
「それは異常ですね。しかし烏野の10番も色々情報流しすぎなのでは。孤爪君もさぞかし困ったでしょう。」
「いーじゃねーか面白え。東北のウシワカも人間ってこった。」
「ブフォッ、やべ、俺今度から月バリでウシワカ見る度笑っちまうかも。」
「不審者として通報されない事を祈りますよ。」
「そん時はあかーしフォローよろしくっ。」
「お断りします。」
「見捨てるなよっ。」
「関わりたくありませんので。」
「ひっどっ。ところでよー、その妹って美人かっ。」
「また無駄な所で切り替え早いんだから。」
「しらね、研磨も顔はわかんねーってよ。烏野のチビちゃんも写真まではやんないだろ。ああでも美人じゃねーと思うっつってたな。」
「孤爪君が言うからには何か理由がありますね。」

チロと見てくる赤葦に黒尾は察しがいいねぇと呟いた。

「もし美人だったら烏野のチビちゃんが丁寧で優しい人だったって書く前に美人でって書いてくるはずだって。」
「なるほど、流石だ。」
「ちぇー、つまんねーの。」
「だから貴方は何を期待してるんです、木兎さん。会える訳でもないでしょうに。」
「人生何があるかわっかんねーじゃん。」
「はいはいわかりました、面倒くさい。」
「流すなよっ。」

わぁわぁ言う木兎、いつもどおり冷静にあしらう赤葦の会話を聞きながら黒尾はクックッと笑う。

「まぁ確かに人生何があるかわかんねーな。」

呟く声は他には聞こえない。



その東北のウシワカもその義妹も東京で好き勝手言われている事を知らない。しかし部屋で本を読んでいた牛島文緒は小さくくしゃみをした。この時は若利も文緒の部屋に来ていてやはり義妹を膝に乗せていた。余程その体勢を気に入ったようだ。黒尾達が見たら笑いすぎて倒れるかもしれない。

「嫌だな、風邪かな。」
「薄着のせいで冷えたか。この節はまだ暑いが。」
「上着を着てきます。本当に風邪を引いて兄様に伝染ったら困りますから。」
「まず自分の体を考えろ。」
「申し訳ありません。」
「お前はすぐに自分の事を後回しにする。あまり心配をさせるな。」
「はい、兄様。」

知らぬが仏とはよく言ったものである。


次章へ続く
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