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【ハイキュー】ウシワカイモウト

第31章 ・変化


こうしてお互い兄妹としてを越えて想い合っている事を確かめた牛島若利と文緒の義兄妹、とはいえいきなり世界観が大きく変わったとか生活が変わったという訳では勿論ない。
それでも微妙な変化があった。

まず若利が必ず文緒を膝に乗っけるようになった。元々文緒を部屋に呼んだ時はちょくちょくやっていた。しかし毎度毎度ではなく、横に座らせるだけが多かったのに例の件によって本当に必ずやるようになった。

次にそれに伴って文緒が抱っこされる時間が長くなった。文緒がそろそろ部屋に戻るといっても若利はなかなか離さない。離す時は顔が変わらないのに少々不満そうな雰囲気を醸し出すようになった。

3つ目に文緒が本当に少しであるが若利に対して素直に物申すようになった。若利と話すようになってからマシにはなったがまだ遠慮している自覚が本人にもある。もっと若利とわかり合うにはまだ足りないという意識の現れであった。更に天然の義兄の為にここは自分が突っ込み役にならねばとという意識もあった事は述べておくべきだろう。

そして今日も文緒は若利の膝に乗っけられている。

「足の負担は大丈夫ですか、兄様。」
「問題ない。」
「そうですか。」
「嫌なのか。」
「嫌ではありません。ただ、兄様の負担になるのは本意ではないので。」
「そこは気にしなくていい。」
「ありがとうございます、兄様。」
「相変わらずお前は軽くて薄い。」
「あの兄様、私は衣類ではありません。そもそも軽いはともかく薄いとは。」
「そのままだ。横から見れば全体的に厚みがない。」
「先日五色君が朝から私の事を全体的に薄いって言ってきましたが、元凶は兄様だったんですねよくわかりました。」
「俺は事実を言ったまでだ。」
「ええと兄様、言えば良いというものではないような気がします。特に五色君はいい意味でも悪い意味でも聞いた事を素直に取るので危ないです。」
「どう危ない。」
「たまに相手を怒らせる危険がありそうです。」
「そういうものか。」
「はい。」

頷く文緒に若利はフムと呟き少し考えた風を見せる。
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