第26章 ・困惑と宣言
そうして昼休み終了の鐘がなる。文緒は混乱状態のまま1-4の教室に戻り、隣の席の五色に顔が赤いぞ熱あんのかと言われて違うとは答えたものの落ち着くまでに相当かかった。私明日から大丈夫かなと思う。少なくとも当分まともに瀬見の顔を見れるとは思えなかった。
文緒は知らないが話はこれだけで済んでいなかった。
「若利。」
その日の放課後、部活前に瀬見は若利に言った。
「どうした。」
尋ねる若利に瀬見は堂々と返す。
「文緒の事愛してんならぜってえ離すなよ。」
「無論そのつもりだが急にどうした。」
「念押し。」
瀬見は言ってから大きく息を吸う。
「泣かせてるようなら俺がかっさらうから。」
まさかの宣言に天童がおおおと喜び、大平は瀬見何言ってるんだと動揺、白布はうわぁとドン引きした表情、山形は目を見開き、五色は何何何ですかっとあっちこっちを見回し、川西は表情が変わらないが内心面倒くさそうだけど面白いかもなどと思っている。
「好きにしろ。」
若利は呟いた。
「出来るならば、だが。」
「自信満々なこって。」
瀬見はニヤリとした。
「心配すんな、基本はフォローしてやっから。」
「それは助かる。」
「本気で言いやがるのが腹立つわ、ど天然。」
「何を言っているのかよくわからん。」
次章に続く