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【HQ】春が始まる。(烏野逆ハー)

第1章 出会い





昼食を終え、体育館へと向かう。
その道中で再び、月島くんを見つけた。
今度は山口くんも一緒だ。



「おーい、月島くんー!」



「ん?ねえツッキー、呼ばれてるよ?あの子マネージャーの子じゃない。」



「月島くん、さっきはどうもありがとう!あと、山口くん。朝は挨拶できなかったけど 水沢菜月です。これからよろしくね!」



「あ、うん。こちらこそよろしく。」



山口くんは私が月島くんにお礼を言っているのを不思議そうに眺めたあと、笑顔で挨拶を返してくれた。



「ドジは私生活の範囲内にしてよね。部活では迷惑かけないでほしいな。」



「は、はい…ごめんなさい」



「ちょっとツッキー言い過ぎだよ…」



心配そうに私の表情を窺う山口くん。
月島くんを止めようとするけど、当の本人は全く気にしていないようで、本当のこと言っただけでしょ。と山口くんに見向きもしない。



「いいのいいの山口くん、私がいけないんだもん。それよりさ、私もツッキーて呼んでもいい?月島くん」



「…はあ?」



「今山口くんがそう呼んでたから皆そう呼んでるのかなって…」



「いや、普通に苗字で呼んでよ。」



「そ…そっか、わかった。」



月島くんは、驚いた拍子に少しこちらを振り返ってくれたけど、すぐ前に向き直ってしまった。



月島くんとも、仲良くなるのに時間がかかるかもしれないなあと思う。



「あ、王様だ。」



体育館について、先に到着していた影山くんを見た月島くんが呟いた。



「王様?影山くんが?」



「そう。あいつ中学で…」



「す、すごい…!」



「え?」



「王様って…キングオブセッターってことでしょ!?影山くんのトス、すっごいもんねえ!!やっぱり有名なんだね!!」



「あのさ…人の話は最後まで…」



「誰が王様だって?」



目の前には、鋭い眼光で月島くんを睨む影山くんがいた。

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