第2章 転生
妹が生まれて数ヶ月、俺にとっては記憶がもどって数ヶ月。
俺たち『うちは』は木ノ葉隠れの里に来ていた。
妹、サラダが生まれて、数日間、俺はサスケを避けていた。
当然だ。前の人生での弟が今では自分の父となっているのだ。
今までどうり『父さん』と呼べるはずがないし、前のように『サスケ』と呼べる訳がない。
そんな訳でギクシャクしていたが、母さん…旧姓春野サクラに叱られてからは『父さん』と呼んでいる。
やはりいつの時代でも母は強いようだ。
前の母、ミコトも普段は優しかったが、時に一族の長である父を凌ぐ絶対的権力を家族の間で持っていたことを思い出した。
それから、サスケ……いや、父さんは二人の子供を連れて旅をするのは危険と判断し、母さんの具合が落ち着くのを待ってから木ノ葉隠れに帰ることを決めた。
その話を聞いた時、俺はホッとした。
ナルトはサスケを木ノ葉に連れ帰ってくれたんだと、
それから数日かけて、俺たちは木ノ葉に来た。
もう2度と足を踏み入れられないと思っていたところに帰って来た。
俺の頬を暖かい何かが伝った。
サクラ「どうしたの?
イズモ?」
俺は『何でもない。』と言いながら涙を拭った。
父さんが不思議そうな顔をして、今まで木ノ葉に向けていた目を俺に向けた。
うちはイタチ否、うちはイズモは歓喜しながら木ノ葉隠れの里に入った。