第25章 クリスマス
今日はクリスマス。
彼氏の英くんと昼からデート……のはずだった。
ルンルンで英くんの部屋にお邪魔すると
部屋を見て唖然とした。
暖房ガンガンにかけててソファに気持ち良さそうに寝ている英くん。
ちゃんとデートの準備をしてると思っていた。
それなのに服も着替えて無いなんて……。
「英くん起きて!デート行こうよ!」
私は英くんの体を揺らし起こす。
「…………理緒?……あれ……今何時?」
眠い目を擦りながら話す英くんに私は呆れた。
「もう2時過ぎだよ?朝からこんなぐうたらしてたの?」
「ごめん。このソファ買ったらここから離れられなくて……。」
英くんが座っていたソファは体にフィットするソファ。
いわゆる¨人をダメにするソファ¨だった。
「なんでこんなソファ買ったちゃったの!?
英くんがダメ人間になっていくー!」
「理緒言い過ぎ。
こっち来てごらん、気持ちいいから。」
英くんはソファに体重をかけながら
腕を広げ私を呼んだ。
「もー、仕方ないなぁ。ちょっとだけだよ?」
私は英くんの上に座る。
直接ソファに座ってないので気持ちよさなんて分かるわけない。
「……私英くんの上に座ったら意味ないと思うんだけど?」
「俺自身が理緒をダメにするソファだよ。」
確かにソファの気持ちよさはわかんないけど英くんにハグされてるから居心地はいいんだよね。
「私専用のソファだね。」
英くんの方を見て話すと
私がしていたファーピアスを触ってきた。
「このピアス買ったの?
…………ファーが揺れて凄く可愛い。」
英くんに耳元で囁かれ耳まで真っ赤になってしまった。
「理緒が可愛い格好してきたから俺も着替えて来ようかな。待っててすぐ着替えて来るから。」
そう言ってようやくソファから離れた英くん。
このソファこんなに気持ち良いのかな?
私は興味本意でソファに座ってみた。
うわっ、気持ちいい!
ソファに体預けたら本当に寝てしまいそう……。
暖かい部屋で気持ちのよいソファ。
これで寝てしまわないのがおかしい位だ。
ちょっとだけ……ちょっとだけならいいよね?
私は睡魔に負けて英くんが戻ってくる前に
眠ってしまった。