第14章 罠
「おっはよー☆」
きっ、来た!
朝練が終わった彼が教室に入ってきた。
私は咄嗟に身構える。
「香坂ちゃん、おっはよ☆
今日もいい形してるねー♪」
「きゃあ!」
……やっぱり今日もヤられてしまった。
私はクラスメイトの及川徹くんに
最近挨拶がわりに胸を揉まれます。
しかも誰も私たちを見てない時を狙って。
クラスの中で一番モテる及川くん。
先生に及川くんにセクハラされてると言ったらファンの子達に多分袋叩きにされてしまうだろう。
彼は他の女の子にもそんな事をしているのかと及川くんの行動を一日中観察していたけどそんなセクハラ一切してなかった。
何で私だけなの?
私はこの疑問だけをずっと抱えていた。
…………思いきって彼に聞いてみよう。
そう思った私は昼休み及川くんに訊ねた。
「あれ?香坂ちゃんが及川さんの所に来るの珍しいね☆」
「………及川くん、何で朝いつも私にあんな事するんですか?」
「知りたい?じゃあ今日俺の家に来たら教えてあげるよ?」
及川くんはニィっと笑って何か企んでるような顔をしてた。
……これはきっと罠だ、断らないと。
でも……知りたい。
私は罠だと思いながらも¨わかりました¨と
コクりと頷いた。
放課後
私は及川くんと帰る。
顔だけは格好いいのに軽い男。
帰り道は及川くんのスマホのメッセージ音がひっきりなしに鳴っていた。
…………やっぱり罠だった。
「んっ……あっ……やだっ……」
及川くん家に着いた私は
及川くんに制服を脱がされ直に胸を揉まれていた。
「あぁ、やっぱり理緒ちゃんの胸イイネ。」
そんな事を耳元で囁かれゾクゾクしてしまう。
「……及川……くん……んっは……理由……ひゃ…聞かせて……」
「理由、まだ気付かないの?
及川さんは……キミ、理緒ちゃんの事が好きだから。好きな子にはイタズラするでしょ?
俺の場合は……セクハラだったって事。」
「……う…そ……」
「嘘じゃないから。」
私は及川くんに唇を奪われた。
強引だったけど優しいキス。
私は彼に身体を全てに預けてしまった。
心のどこかでこうなる事を期待していたのかも知れない。
¨私は徹(カレ)に堕ちていく―― ¨