第12章 さかな・魚・サカナ
「なぁ、何でサンマって冬にはねぇのかな。」
「秋が旬だからでしょ?サバの塩焼き美味しいよ?」
只今定食屋で俺は項垂れ中。
サンマの塩焼きが無かったから。
サバの塩焼き好きだけどな
やっぱり塩焼きはサンマが一番好きなわけよ。
「クロ?サバ食べないなら私食べちゃうよ?」
「ちょっ!!食うに決まってんだろ!
本当理緒は魚ばっかだよな。」
「うん!肉よりも魚が好き♪ヘルシーだし!」
そう言ってご飯を頬張る理緒。
いくら魚がヘルシーだからって
ご飯てんこ盛りなら意味ねぇぞ。
しかし美味そうに飯を食う理緒は見ていて和む。
言っておくがこいつは彼女ではない。
そういや理緒と知り合った時は
サンマ食ってたな。
学食で日替わり定食(さかな)がサンマの塩焼きだった時に斜め前に座って同じメニューを食べていたのが理緒だった。
身を全く残さず、すげえ綺麗な食べ方してて
俺が思わず声をかけたのがきっかけだった。
同じ魚好きという事で気が合うし
今だってこうやって休みの日に定食屋で昼飯を食う仲だったりする。
「ごちそうさまでした!」
てんこ盛りのご飯も一粒も残さず必ず完食する姿は見ていて気持ちのいいもんだ。