第10章 初デート
明日は付き合ってまだ数日の理緒ちゃんとデート。
俺よりも1つ年下の小柄な女の子。
告白は彼女からだった。
ずっと好きでした。って赤い顔して告白してくれて本当に可愛いなと思って二つ返事でOKしたんだ。
しかし俺はデートというものをしたことがない。
二口に聞いたら「外でデートするんすか?寒いでしょ、ラブホでデートオススメっすよ!」と言われてしまった。
……コイツに相談しなきゃ良かった。
とりあえず遅刻だけはしないように
少しだけ早めに就寝した。
朝9時に駅に待ち合わせ。
俺は8時半前に到着した。
まだ早いかな?と思ったけど彼女が早く来てしまったら待たせてしまうので待ち合わせ場所でそのまま待つことにした。
二口の言うとおり12月の宮城は寒い。
屋外よりも屋内デートするほうがいいかもな。
俺はスマホで何処かデート出来そうな施設を探していた。
「はぁ…はぁ…茂庭さん、お待たせしました!」
暫くして駆け寄って来た彼女は少し息切れしていた。
まだ待ち合わせの時間も過ぎてはいない。
「理緒ちゃん走ってきたの?」
「あ、はい!茂庭さんがもう来られてたので早く会いたくて!」
そう言ってヘヘッと笑う理緒ちゃん。
俺に会いたかったから走ってきたとか
可愛すぎる!
俺も理緒ちゃんにつられて笑顔になった。
「理緒ちゃん行きたい所ある?」
「あ、茂庭さんにお任せします!」
任された俺はやっぱり昨日デートの計画立てておけばよかったと今更後悔してしまった。
「じゃあさ、映画観に行こうか!」
「はい!」
今日も寒いね。など話ながら映画館に向かう俺達。
「はぁー」と白い息を吐いて自分の手を暖めている理緒ちゃんを見て俺はポケットに入れていたカイロを彼女に渡した。
「ありがとうございます。でも茂庭さん寒くないですか?」
「ん?女の子がそんな事気にしなくてもいいの。」
「茂庭さんは優しいね。……でもこうすれば少しは暖かいでしょ?」
理緒ちゃんはそう言って俺の左手を握ってきた。
少し大胆な理緒ちゃんに俺は照れてしまうばかりだった。