第8章 秀吉さんの微笑み
「へぇ……へいせいの時代って面白いんだな」
「そうですか?」
「ああ……出来る事なら俺も行ってみたいもんだ」
安土城に来てから数日がたったんだけど、政宗さんは暇を見つけてはおやつを片手に私の部屋に来るようになっていた。
政宗さんは、未来___
つまり、私がいた時代にとても興味があるみたいで、色々な話を聞きたがる。
政宗さんの第一印象はギラッとしてまるで野生の獣のような印象だったのに、話をすればするほど印象が変わる。
瞳を輝かせ、私の話に相槌を打つ姿は(本人には言えないけど)小さな子どもみたいで可愛いとさえ思ってしまう。
政宗さんのおかげでわりと楽しく日々を過ごす事が出来ているような気がする。
感謝してます___
政宗さんとほのぼのとしていると眉間にしわを寄せた秀吉さんが部屋に入ってきた。
「やっぱり此処にいたのか」
「なんだ?俺に用事か?」
「家康が探していたぞ」
「家康が?」
「ああ……」
「なんだろうな?」
「さあな?」
慌てる様子もなくお茶をすすっている政宗さん。
「家康さんの所に行かなくていいの?」
「ん?……なんだお前……」
「え……?」
ちょっ!
顔!
政宗さんっ……!!
顔が近いって……!
私の首に手をかけるのはやめて
(恥ずかしいからっ)
心臓が口から飛び出しちゃうから……!