第7章 信じてくれた……?
「なんで泣いているんだ?」
「……嬉しいの」
自分でも理解出来ない状況で、普通だったら信じてもらえないかもしれない滑稽な話を政宗さんは信じてくれた。
政宗さんって良い人なのかも知れない。
見た目は目付きとか鋭いから怖い人かと思ったけど、そんな事ないかも……
ちょっと見直したかな?
「嬉しくて泣くのは理解出来ねえけどな」
「う……っ」
「泣くな……」
「ぁ……」
まるで涙を拭うようにくちびるが私の頬にっ……!
「しょっぱいな」
「な……!なめ……!!」
「ん?どうした?」
びっくりして言葉が出ない私に政宗さんは平然とした態度で自分の唇を舌で舐めていた。
「それよりも部屋に連れて行ってやるから来いよ」
「っ……!!!」
当たり前のように肩を抱き歩きはじめる政宗さん。
何をどこを突っ込んでいいのかわからない私は、黙って政宗さんの隣りを歩くしかなかった。
(良い人だと思ったのに!!前言撤回します!!)
__佐助くん
早くこのお城から私を連れ出して。
戦国時代にタイムスリップした事よりも、ここにいる人達の過度なスキンシップ(悪く言ったらセクハラ行為)に私が耐えられないよ。
続く▷▷▷