第4章 スキル
ある日、怜は伏見家のパソコンを触っていた。
その様子を、じっと猿比古は見ている。
猿比古「・・・何、してるの?」
怜「ハッキング。」
さらりと言ってのけた怜のその言葉は、聞き覚えがあった。猿比古が、興味を持っていた事だ。
猿比古「・・・何のハッキング?」
怜「・・・情報、変えるための。」
カタカタとひたすらに何かを打っている怜の隣でジッ・・・とスクリーンを見ている猿比古。
ふぅ・・とひと段落ついたであろう怜は、猿比古の方を見て笑う。
怜「コレ、やってみる?」
いつもこうしてパソコンをいじっていると、ひこはいつも興味津々でこっちを見てた。だから、何となく、“興味本位”で教えてみた。
猿比古「・・・出来、た・・。」
怜「・・・やっぱり、ひこ賢い。」
猿比古は、手始めに言われた組織から情報を盗み出す事に成功したのだ。
怜「ひこ、データ取れるだけ取って。」
猿比古「怜、これって・・・。」
怜「ある会社のデータ。悪い会社だから問題ないよ。」
伏見猿比古、5歳。人生初めてのハッキングに成功。
怜「ひこ、パソコン強い。(ニコッ」
そのスキルを開花させたのは、怜だった。