第3章 第一章
まあ、それはともかくすごく助かったし、お礼をいわないと
「とりあえず、ありがと。ほんと助かった。あと、音楽部の神田さんでしょ?ピアノ上手くて有名だしみんなしってるよ」
かわいいし、ピアノもうまいと学校中で評判だし、知ってるに決まってる。
そういうと、神田さんは顔を少し赤くして
「そんな、有名だなんて。一条君のほうが有名じゃん。それより、それ。一条君のであっててよかった。間違ってたらどうしようって思ってたから」
かわいい。
学校の天使の笑顔を独り占めできている気がして少しの優越感に浸る。
しばらくして補講授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、部活に行かないといけないことに気付いた。
「うわ、チャイム鳴ってるし。やっば、さすがにこれ以上抜けると先輩にしばかれる。ごめん、もう行くわ。あ、そうそう、また改めてちゃんとお礼したいから、LINE教えてくんない?」
女子とのとのLINEの交換には慣れてるんだよね。さすが俺。
「お礼なんていいのに。でも、いいよ」
よっしゃ。神田さんの連絡先ゲットー。
「ほんと、ありがと。じゃ、また」
そう言って、体育館への廊下を今年度最大のテンションで突っ走った。