第39章 夢現Ⅲ

「っ…オイ、…無理すんな」

「ん。無理じゃないよ」


　ぶっきらぼうだけど、気遣ってくれる言葉。
　その優しさに胸はじんときて、もっと気持ちよくさせたいって素直に思えた。

　もう一度、口で触れる。
　今度はアイスを舐めるように、ぺろぺろと舌で愛撫してみた。
　亀頭からカリ、竿へと。
　鼻を突く臭いに先走りで濡れた男根は、はっきり言って不味い。
　こんなものを美味しいだなんて言うAV女優さんは凄いと思う。勲章ものですね。
　…でも嫌だとは思わなかったから、辿々しくも続けてみた。

　口周りや頬に粘液がついてベタベタする。
　んん、難しい。


「きもち、いい？」


　上手くできてる自信はないから、問いかけてみる。
　竿の裏側から舌で舐め上げれば、ヒクンと確かな反応を見せた。
　あ…これ、気持ちいいのかな。


「…ああ、」


　私の頭に伸びた手が、くしゃりと撫でるように触れる。
　見下ろしてくる目は、いつもの鋭い目付きじゃない。
　傍で何度も見てきたからわかる、微かだけど欲に色付いた瞳。

　感じてくれてる。
　それが嬉しくて、更に両手で扱きながら舌を這わせた。


「ん…む、」

「っ」


　少し迷った後、意を決して亀頭をぱくりと咥えてみる。
　頭に触れていたユウの手が反応を示す。
　しっかり咥え込むのは大変そうだったけど、先っぽならなんとか…。
　歯を立てないように気を付けながら、口に含んだまま咥内でぬるぬると舌を動かす。
　手は休むことなく竿を扱きながら、舌を裏筋に這わす。

　不意に、そういえばと見たことあることを実践することにした。
　唇を窄ませて擦るように上下に揺らす。
　じゅぽ、と卑猥な音が口の隙間から漏れて、ユウの息が荒くなるのを合間に耳にした。

　下半身が疼くように、じんとくる。
　うわ…私も感じちゃってる。

　………変態だな、やっぱり。