My important place【D.Gray-man】
第8章 黒の教団壊滅事件Ⅱ
「ぁ、ありがとう…っ」
通気口を四つん這いで進む神田の後を、慌てて追う。
振り返った顔は、未だに眉間に皺を寄せていたけど。
「お前みたいなのを、お節介っつーんだよ」
そんなつもりはないけど…というかこんな感情、他人にぶつけたことないし。
「いいよ、お節介でも。神田になら」
誰でもいい訳じゃない。
私が求めたのは、神田本人からの"応え"。
それを少しでも返してくれたことに、素直に嬉しいと感じられたから。
その気持ちはすんなりと私の口から零れた。
すると暗い通気口の中、神田の目が丸くなって一瞬、空気が止まった。
「神田?」
それも束の間。
くるりと無言で再び背を向けられる。
「…此処を生きて出られなきゃ、何も意味ねぇけどな」
ぼそりと前を向いて発せられた言葉に、そうだと思い出す。
…というか死んでないからね、誰も。
ただ厄介な薬に感染してるだけで。
誰も本当のゾンビにはなってないからね。
そこ、大事です。