My important place【D.Gray-man】
第39章 夢現Ⅲ
確かに何度も体を重ねるうちに、もう痛みなんて感じないようになった。
私の体はユウが与えてくれる行為にすっかり慣れて、充分感じられるようになった。
…だからって恥ずかしさが抜けた訳じゃないけど。
そんな簡単にオープンになれたら苦労しないよ。
って問題はそこじゃない。
「次はちょっと厄介な任務内容だから、そっちに集中したいというか…久々の調査任務だから、仲間に迷惑かけたくないというか…」
「どんな任務なんだよ」
「さぁ…聞いた限りだと、パリの街で奇怪なことが人々に起こってるとかって…」
「なんだその漠然とした内容」
「調査任務は、いっつもこんな感じだよ」
エクソシストも含めたイノセンス回収任務は、私達ファインダーがしっかり下調べしてるから具体的な情報があるだけ。
エクソシストを派遣する前のその下調べ任務は、いつもあやふやなものが多い。
そう苦笑混じりに伝えれば、じーっと据わった目で見つめ…睨まれた。
でも譲れないからね。
これでまたユウの部屋で朝帰りなんかして、マリに見つかったら恥ずかしい。
今日あんな会話したばかりなのに。
その明日でまた出くわしたら、流石にちょっと恥ずかしい。
…実はそれが一番の理由なんだけど。
言ったら却下されそうだから黙っておこう。
「…チッ」
すると暫く沈黙を作って睨んできていたユウは、舌打ちするとその顔を退く──…どころかしっかりと私の首筋に埋めてきた。
えええ…!
「ちょっと待っ…!ッ」
無造作に大きな手が私の髪を掻き上げて、露わになった首筋に押し当てられる唇。
ちゅうっと音がするくらいに強く吸い立てられて、思わず体がビクついた。
え、何これ強制?
強制で行為突入ですか。
体を弄ってくる手を予想して思わず身構えれば……ふっと離れる気配。
……え?
「言ったからには守れよ」
顔を上げれば、体を離して溜息をつくユウが見えた。
それ以上触れてこない姿に、思わずまじまじと見てしまう。
…私の意見、聞いてくれた?