My important place【D.Gray-man】
第19章 灯火.
「このくらい大した怪我じゃないよ。私もファインダーの端くれだし、ちゃんと仕事しないと」
「それなら室長への任務報告、お願いできますか?」
「雪先輩ならオレらより的確に報告事項挙げられると思うんで」
「でも…」
「いーから、いーから。オレ達だけでも充分仕事できますから」
「任せて下さいって」
渋ったものの、そいつらに背中を押されて結局月城は馬車に乗り込んだ。
「ごめんね。事後処理、気を付けて」
「了解っス」
「そっちも、後はお願いします」
心配そうにファインダー二人を見る月城に構わず、馬車は走り出す。
そうやって他人の身を案じる暇があるなら、自分の心配でもしろ。
そう頭に浮かんだ思いを口にすることはなく、
「さっさと座れ」
「…うん」
突っ立ったままの月城に、それだけ声をかけた。