My important place【D.Gray-man】
第49章 つむぎ星に願いを
ただ一つ違うのは、今ここに憐みの思いはない。
「じゃあ問題ない」
それ以上に、雪を手中にできることに喜びを感じる。
どうしたって上がってしまう口角を悟られないようにと、ティキは覆い被さるようにして雪の肩に顔を埋めた。
「俺も、雪に触れてるの気持ちいい」
「んッ…ぁっ」
するりと服の下に滑り込んだ手が、肌を這う。
びくりと上がる雪の背とソファの僅かな隙間を、見逃さなかった。
長い指が易々と辿り着き、ぷつりと下着のホックを外す。
「だからもっと触らせて」
「ま、待って…ッ」
「大丈夫、見せないから」
「ぇ…?」
「"ここ"では誰にも見せないようにする」
服を託し上げることなく、衣類の下で這う指先が胸の突起へと触れた。
「ぁ…ッん、ぅ」
「見えないから、問題ない。大丈夫」
「ふぁ…っ」
指先で捏ね回され、刺激を与えられれば、逃れられない体がひくついた。
(大丈夫?…だいじょう、ぶ)
何が大丈夫なのか、皆目見当もつかないのに。
ティキがそう言えば、本当に大丈夫な気がした。
衣服の下で弄ばれる胸に、じとりと汗が滲む。
(なんで、こんなことしてるんだっけ)
ぼんやりと霞む頭で考える。
(ティキが、見たいって)
彼が望んだからだ。
与えられるままの熱を感じて、混じり合って、溶け合う。
それを望まれたからだ。
「雪、口開けて」
「は…っ」
「ん、良いコ」
言われるがままに熱を与え、貪る。
蕩ける程に重なる互いの舌の粘膜が、熱く痺れるようだ。
「はぁ…雪…」
「んッあ…ッ」
何も考えず言われるがままに快楽に浸るのは、とても心地良かった。
(きもち、いい)
微かに燻るような何かを胸の奥に感じたが、それもすぐに押し流されてしまう。
ティキが触れたところから、痺れるような熱は広がり、体は火照りを覚えていた。