My important place【D.Gray-man】
第48章 フェイク・ラバー
「そのうち雪がノアの覚醒をすれば、益々教団での肩身は狭くなる。セカンドくんの所為で苦しむ立場に追い込まれる。それでも同じことが言える?」
「なんとでもほざけ。ただ同族なだけで、テメェはあいつの何も知らねぇ癖に」
ぴたりとティキの笑みが止まる。
「そんな奴に家族面されても、痛くも痒くもねぇよ」
「…言うね。その思いが雪の首を締めてるって、なんで気付かないのか不思議だけど」
「……これ以上話すことはない。テメェを斬って、終いだ」
「それには同感」
辺りを舞っていたティーズが、一斉に神田へと飛び掛かる。
六幻で薙ぎ払う神田の視界に、ふとかかる黒い影。
ティーズの群に乗り知らぬ間に迫っていたティキが、片手を構え見据えていた。
視線を上げる暇もなく。
「お前を殺せば、雪の鎖も断ち切れる」
「ッ…!」
ドッ!
振り落とされた手刀が、神田の胸板を突き破り打ち込まれた。