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My important place【D.Gray-man】

第47章 リヴァプールの婦人



「生きた女に興味はないが、飾り立てることは好きなんだ。美しい肉片が絶命する瞬間には興奮する」

「…へん、たい」

「変態?随分と幼稚な文句だ。私は求めるものがいるから提供しているだけだよ。彼女達もただ道端で野垂れ死ぬよりは、余程有効な道だと思わないかね」



彼女達とは、鎖に繋がれていた者達のことを言っているのだろう。
食い入るように視線で問い掛ける雪に、リッチモンドは気にした様子なく口元の髭を撫で付ける。



「彼女達は道を選べなかった者達だ。孤児であったり流れ者であったり。それらを買い付け、適者に売る。売買の基本さ」

「っ(…リンクさんが言ってた"奴隷貿易"だ)」



恐らく他国からも連れられて来たのだろう。
昔の出来事だと思っていた歴史は、今もリヴァプールに根付いていたらしい。



「先祖代々、我々はこの道で繁栄してきた。しかし受け継がれてきた魔族の血が私で途絶えると、家族は私を後継者から除外してね。……だから自分で伸し上がったのさ」

「!」



リッチモンドが懐から取り出したのは、大きめの短剣。
見覚えのあるそれは、芸術の間で飾られていたジャック・ザ・リッパーのナイフだった。
ブラウスの下に差し込んだナイフを軽く引けば、忽ちに衣服は裂けただの布と化していく。



「魔法使いにもマグルにもなれないのなら、新しい道を自分で作る。一生スクイブなんて呼ばれる人生はごめんだ」



はらりと足元に落ちる裂けたブラウス。
鋭いナイフの切っ先で雪の肌を掠めながら、それはズボンへと伸びた。



「貴方…は…何、者…?」

「知りたいなら教えてあげよう」



ぷつりとズボンのボタンをナイフで断ち切られる。
緩んだそこから差し込まれる冷たい刃が、雪の肌を這っていく。
不意に身を屈め雪に顔を寄せると、リッチモンドは優しく嗤った。



「君を極上の商品に仕立てあげてね」















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