My important place【D.Gray-man】
第16章 ソレイユ.
アジア支部の協力もあって、無事解決した黒の教団壊滅事件。
改め、黒の教団壊滅未遂事件。
バク支部長の力が大きいけど、私と神田の貢献も大いに認められた。
結果、人手が足りなくて忙しい職場だけど、珍しくコムイ室長から数日の休みを貰えることとなった。
貴重な休みだから純粋に嬉しかったけど、体を休めるより何より私が優先させたのは"それ"だった。
「──…あった」
夜の教団内部の大きな書庫室。
更にその奥の奥の棚。
其処は、本来は観覧禁止指定されている棚。
持ってきた灯りを頼りに探していた資料を見つけて、棚の奥から引っ張り出した。
「…"第二使徒"…セカンドエクソシスト?」
資料に記載された文字を、指先でなぞって読み上げる。
〝第二使徒〟
神田が教えてくれたその名は、観覧自由な棚のどの資料や文献を探しても見当たらなかった。
コムイ室長に聞けば早いんだろうけど、自分で調べたかったから。恐らく、と思ってこっそり制限のかかってる棚を探せば、案の定その古びた資料は見つかった。
「よいしょ、」
重い資料を膝に乗せて、書庫室の隅の床に座り込む。
持ってきていた灯りだけを頼りに、古びた表紙を捲った。
最初のページは、真っ白な紙の上に一つの用語だけ。ぽつんと記されていた。
「……人造…使徒計画…?」
〝人造使徒計画〟
それが何を意味するものなのか、わからなかったけど…ひやりと嫌な予感だけはなんとなく過ぎった。
…嫌な予感、当たらないといいんだけど。