My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
「な…なんか今日のユウ、凄く、その…」
求めてくるというか…性欲強いというか。
一般男性の性欲がどれくらいなんかなんてわからないけど、過去に沢山求められたこともあるけど。
でもいつものユウとは違うのは、確かにわかる。
恥ずかしくってその先は口籠ってしまったけど。
「変だって言いたいのか」
「そうじゃない、けど…いつものユウより…その、なんか…」
「お前、馬鹿だな」
「んなっ」
だから馬鹿馬鹿言い過ぎだって今日!
「一度お前を見失ったんだ。もうこうして触れることもないかもしれないとも思った。でも今はこうして俺の腕の中に捕まえていられてる。求めずにいる方が無理だろ」
「…っ」
そんなことを言われると、何も言い返せない。
やっぱりそれだけユウにはノアのことはショックなことで、振り回してしまったんだと思うと。
「しっかり刻み付けていたいんだよ。俺のことも、雪のことも。それこそひとつになるくらいに」
「ユ…え、あ、あの…っ」
するりと、腰に回されていた手が上着の下に潜り込んでくる。
直接肌を這って内太腿へと伸びてくるユウの手に、正直焦った。
嘘。やるの?
またっ?
「待って…っ」
「…雪」
肩から上がった顔が、間近に私を見つめる。
真っ黒な瞳なのに、瞳孔が開いてるのがはっきりとわかる。
それだけ興奮してる証拠なんだと、目の当たりにされて息を呑んだ。
「最後までシていいんなら、お前の中に刻み付けたい。…駄目か」
「…っ」
その顔で、そんなこと聞くのは反則だと思う。
この状況で、そんなこと聞くなんて。
「…駄目…じゃ、ないよ…」
首を横に振れる訳がない。
微かに震える声で応えれば、ふと目の前の顔が優しく和らいだ。
両の目は確かに欲付いていたけど、穏やかな顔。
見たことのないその両の顔を宿した表情に、ドクリと胸が高鳴る。
ゆっくりと重なる唇。
再びベッドに体を沈められるのは、それから3秒後のこと。