My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
溶けてしまえばいいと思う。
綺麗な混じり方なんてしなくてもいい。
お互いにぐちゃぐちゃに溶け合って、蕩けきって、何もかもがひとつになれたら。
不可能だとわかっているから、求めてしまうのかな。
そうしてユウの体液一滴まで、残らず自分のものにできたら。
無理だとわかっているから、願ってしまうのかも。
「ん、ん…っ」
せめて今だけは全部私のものにしていたい。
ユウの体も心も、その意識や目線一つだって残らず私に向いていて欲しい。
その思いを込めて、深く深くユウの半身を咥え込む。
苦しい。息が詰まる。
でも、大丈夫。
だってそれは、生きてる証だ。
苦しいのも辛いのも、楽しさや嬉しさを知っているからわかること。
そう、あの子も言ってくれた。
「っ雪…ッもう、出る…口離せ…ッ」
限界が近かったユウは、切なげな声で止めに入ってきた。
大丈夫、もう一回経験してるものだから。
口で受け止めるくらいできるよ。
飲み込むのは、多分…無理だけど。
だから、出していいよって意味を込めて上目遣いに応えた。
そういえば以前はイク間近のユウの顔、見損ねてたっけ。
その確認もしたくてしっかりと見上げれば、瞳に映ったのは切なげに眉を寄せた、愛しい人の喘ぎ漏らす顔。
う、わ…これは駄目だ。
目が奪われる。
ばちりと、濡れ光る目と合う。
「チィ…ッ」
瞬間、上気した顔のままユウは苦しそうに舌打ちをした。
え。何故に舌打ち。
酷くない?
って抗議の一つでも目で訴えてやろうかと思った時。
「ん、ぐっ?」
ユウの手が強く私の顔を固定するように押さえ付けた。
え、何。