My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
「待って、ユウ…っ」
「待てない」
力の入らない両手で胸を押し返す。
だけどユウは止まる気配を見せなかった。
片手が私の腹部を撫でてきて、ぴくんと反応してしまう。
浅く息継ぎされる呼吸音に、熱に浮かされた顔。
それはパリの任務前にフェラした時に、垣間見せてくれた表情と一緒だった。
多分、ユウも限界が近いんだ。
それでも私を感じていたいから、耐えてるってこと?
別に一度出せば終わりだなんて言ってないのに…ユウだって変な所で意地っ張りだと思う。
「ほ、本当に待って…! 私するからッ」
ユウを気持ちよくさせてあげたい気持ちはある。
でも今責められたら、ダウンしてしまう自信もある。
力の入らない両手でなんとか押し返して、声を張り上げた。
こうなれば方法は一つだ。
「私に奉仕させて。私ばっかり気持ちよくさせて貰ってるし…私もユウにしてあげたいから…っ」
自分でも言い訳がましいとは思ったけど、ここは退いたら駄目だ。
「別に奉仕なんて──…」
だけどユウも退く気はなく、僅かに眉を寄せて言い返される。
と、その声は急に途絶えた。
「………わかった」
何か考え込んだかと思えば、すんなりと頷く。
よくわからないけど…納得してくれたってこと?
「じゃあ、あの…退いて、くれる?」
「……」
おずおずと頼み込めば、すんなりと体を退いてくれた。
どうにも甘い空気のままでいられないのは、私達だからかな…。
でもまぁ、これが私とユウなんだろうな。
アレンとリナリーみたいな可愛らしいカップルにも、マリとミランダさんみたいな癒し系カップルにも、なれないかもしれないけど。
これは私とユウだけの関係性だから、それでいいと思えるようになった。
というか…私は、このままでいたい、かも。
代わりはいない。
ユウじゃなきゃ、駄目だから。
そんなユウに与えられた、さっきの体も心も蕩けてひとつになるような感覚は…凄く甘くて、心地良かった、し。
「……」
それを思い出すと、自分でもずくりと膣の中が疼くのがわかった。
慌ててふるりと首を横に振る。
だ、駄目駄目。
感じてるところなんてユウにバレたら、また責められ兼ねない。