My important place【D.Gray-man】
第13章 夢現Ⅰ,
「ぅ、く…ッ」
ズク、と腕から広がる不快感。
あ、これ。AKUMAのウイルスに侵される感覚に似てる。
「…雪さん?」
思わず腕を押さえて、その場に座り込む。
傍で聞こえる蝋花さんが呼ぶ声。
駄目だ、近くにいたら危ない。
「っ!」
「ガァッ」
咄嗟に腕に噛み付いていたティムの体を、逃げ出さないように抱え込む。
「月城っ!」
「バク支部ちょ…ティム、危ないから捕まえてて…」
顔を青くして駆け寄ってくる支部長が見えて、なんとか小さなゴーレムの体を手渡した。
「月城、しっかり!」
「雪さん!」
支部長と蝋花さんの声が近くでする。
ドクリ、ドクリと腕の血管を辿ってくるような不快感。
ああ、本当。コムイ室長って凄い。
まさかゴーレムまで感染させる薬を作るなんて。
……ああ、本当。
「…やっぱり…科学班なんて、嫌いだ…」
凄過ぎて、呆れます。