My important place【D.Gray-man】
第11章 黒の教団壊滅事件Ⅳ
──ねぇ、この花知ってる?
久しぶりに、夢を見た。
──蓮華の花
眩しい程の光が、視界を明るく照らして。
つい自分の手を顔に翳(かざ)す。
──泥の中から天に向かって生まれて、世界を芳(かんば)しくする花なのよ
蓮華の花のようだと言われた。
泥の中で咲き、世界を芳しくするその生き様が、まるでエクソシストの相を顕(あらわ)しているようで。
──見たいなぁ、一面に咲きほこっているところ
愛しいと、あの人は言った。
──いつかふたりで、一緒に見ることができたら
見えたのは眩い程の光の中で、はにかむように笑った顔。
──待ってるね、ずっと
歳を重ねても、ずっとずっと。
共にいようと、そう誓った。
──…待ってる
朧気な記憶の中の俺が、望んだもの。
それは後にも先にもきっと、それだけだ。