• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第42章 因果律



 黒の教団の者であるが故に、些かややこしい心で生まれてしまった我らが同胞。

 第8使徒"怒"のノア〝ラースラ〟

 ラースラであったスキン・ボリックが死して然程なく、そのメモリーは新しい肉体に転生したらしいが…"覚醒"までには時間を長く有している。

 理由は二つ。
 ノアの怒りである、我らの中で最も憎悪のように強いそのメモリーと──雪の心。

 "怒"のメモリーは本人にも、また我ら他のノアに対しても強い影響力を持っている。
 それ故に人間がそのメモリーを受け入れるには、身体的にも精神的にも適応の為の時間がかかる。

 それでも尚、覚醒の際に本人に与えられる苦痛は大きい。

 "痛み"は"怒り"だ。
 それを心身共に叩き込まれて、憤怒のノアは生まれる。


 そして何よりも覚醒の妨げになっているのは、雪自身の心。


 教団で雪が見つけてしまった、心の在り所。
 それが雪の枷となりノアになることを阻んでいる。

 しかしまさか…それがあの男だったとは。


「…皮肉よのう」


 スキン・ボリックを死へと追いやったエクソシスト──神田ユウ。

 ラースラの肉体を破壊したその者が、今度は新たなラースラの心を捉えている。
 なんとも皮肉なことか。

/ 2637ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp