第1章 ただいま
「あー、今日も楽しかった!!」
「テンション高いな~」
「あ、翔ちゃんお疲れ!じゃあね、お先っ!!」
「早っ!!」
コンサートを終え、マッハで家路につく。今日はモタモタしてらんない。だって愛しいカノジョがうちで待ってるから♪寄り道もナーシ!
「ただいま♪」
し~ん。返事なし。
…あれ?いないの?
「たっだいま―――っ!」
慌てて出てきた彼女は、口に人差し指をあててウィスパーボイス。
「しい~っ!夜、夜っ」
「あ」
やっべ。
「ふふ。おかえり!お疲れさま」
「杏奈~!疲れたぁぁぁ!」
「コンサート、めちゃくちゃ盛り上がったね」
「うん、めっちゃ楽しかった♪あ、ね、ね、どうだった?今日の俺」
「うん。…“相葉ちゃん”だった」
「なにそれっ」
杏奈につられて俺も笑う。まぁ、一緒にいられるだけでもニヤけちゃうんだけどね。なかなか会えないから、こういう時は自分でもひくくらいベッタリしちゃってます。