第42章 AngeL WorlD
「仕方がありませんね・・・!!」
アルデークは首に提げていた十字架を
サッと少し前に突きだし、声を上げた。
「我は神につかえし羽翼の使者。
仮の名を<アルデーク>とし、
真の名を<ラグエル>とする者なり。
天界の主ゼウス神よ、
我に力をお貸しください・・・!!」
そう言い、十字架から手を離し、
アルバの懐から
柄に十字架の彫られた質素なナイフを2本出し、
左右同時に5メートルの間隔の所に投げ、
地面に刺し、それから左手を横に伸ばし、
中指と人差し指を立て、
左から右へと一文字を切った。
すると、ナイフからナイフへ光線が走った。
そして、自分の前に十字架を切るために、
足もとから上へと振り上げる手の動きと同時に
ナイフの間の光線は
アルデークの目の前で大きな光の壁になった。
「・・・光の壁・・・!!」
夫婦は驚きの歓声を上げた。