第40章 TwO PeoplE WorlD
三人はアルデークの前にある
一番前の長椅子に腰掛けた。
(そういえば・・・
はじめて来たときもここに座ったなぁ・・・)
琴乃がそう思って
遠い昔のことのように感じていると、
現実世界でのキョウヤとの出会いを
ふと思い出した。
「もうお怪我は大丈夫ですか?」
アルデークはキョウヤに話しかけた。
「あぁ。だいぶよくなった。」
「さすがの回復力ですね。」
「牧師のお陰だ。」
二人の表情は柔らかいものだ。
琴乃は周りにばれない程度の深呼吸をした。
『あの・・・私、キョウヤくんに
話さなきゃいけないことがあるんだ・・・』
琴乃の手はギュッと握りしめられていた。
キョウヤは横目でチラリとその拳を見て、
それから口を開いた。
「俺はここで話してもかまわねーけど・・・」
『キョウヤくんがいいならここで・・・』
アルデークとリュウトは頭に
クエスチョンマークを浮かべた顔をし、
キョウヤと琴乃は少し緊張した顔で
その場に固まった。
『あのね・・・』