第37章 SickrooM WorlD
琴乃はイスから立ち上がり、
キョウヤのそばに寄り、
床に膝をついて、
目線をベッドにいるキョウヤに合わせて、
キョウヤの横顔を見つめながら、
静かに呟いた。
『こっちでは初めましてですね。
瑠璃代 恭也さん。
名前はリュウトくんから聞いたんです。
私・・・キョウヤくんのお陰で
夢の世界でちゃんと生きていますよ。
新しい友人もできました。』
琴乃は
涙を目にいっぱい浮かべて話し続けた。
『本当にありがとう。
キョウヤくんは私の大切な恩人なんだよ。
だから、夢の中でも、こっちでも、
早く良くなってください。
私はちゃんとキョウヤくんと関わりたいな。
キョウヤくんこと
勝手に知っちゃってごめんなさい。
だけど、知れて良かった・・・!!』
琴乃は立ち上がった。
『改めて・・・私の名前は葉風琴乃です。
また夢の世界で会いましょうね・・・!!』
そう言い、扉を開け、病室を出た。