第37章 SickrooM WorlD
「あたしね、
勤めてまだ一年くらいしかたってないの。
働き始めて・・・看護婦になって、
ちょうど三ヶ月くらいの時、
彼と、彼の妹さんがね、事故にあって
運ばれてきたの。」
琴乃はエリの方をじっと見た。
「ひどい事故だったわ・・・。
それまではね、
普通のけが人や病人が普通に来て、
普通に診察してっていう、平和というか、
新米にはありがたい環境だった。
そこに、あたしの目には
初めて見る大きなけがで、
救急で運ばれてきて・・・
あたし、失神しそうになったわ・・・」
エリは空いている方のベッドの隅に腰掛けた。