第32章 HermeS WorlD 2
「ヘルメスって神様は
<嘘つき>と<泥棒>の神様。
でも本当は神々の伝令使で
人々の守護神だったんだ。
でも<嘘つき>と<泥棒>の神になった。
それは使えている神のせい。
その神はヘルメスに
こっそりと仕掛けていたんだ。
他の人を欺いて夜中に抜け出させ<泥棒>の才を、
それを隠すことで<嘘つき>の才を
つけさせるように狙って・・・」
「でもヘルメスは途中から気付いていたんだ。
人から嫌がられることが目に見えていても、
使えている神のため、
二つの才を磨き上げた。
まぁ、その神は
ヘルメスが気付いたと分かったとき
謝ってくれたらしいよ。
ヘルメスはその神の忠実な使いだった
「この身はあなた様のためにあるのですから」
って言うくらいだったんだって。」
「・・・本当は、いいヤツなんだ・・・」
リュウトは少し遠くを見つめて言った。