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FloW WorlD

第32章 HermeS WorlD 2




『あのさっ!!リュウトくん・・・

その・・・』



琴乃は若干視線を下に下げていった。



「ん?」



『ごめんなさい!!

リュウトくんの神名聞いたとき

ちょっと怖くなったっていうか・・・

<嘘つき>と<泥棒>って言葉だけで

リュウトくんを疑ってしまったというか・・・』



「あぁ・・・いいよ、別に。いつものことだし。」



リュウトの口元は笑っていたが

目は悲しそうにしていた。


琴乃は視線を下に向けたまま口を開いた



『でも・・・!!

リュウトくんはリュウトくんだよ!!

私もこの前、自分の神名とかの話されたとき、

自分じゃなくなるみたいな

嫌な気持ちになったけど

自分は自分でそのままなんだって

教えてもらったんだ!!

だからリュウトくんがどんな神でも

私はリュウトくんとして向き合うから・・・

その!!なんというか・・・!!』



琴乃はごにょごにょと言葉を濁した。



「・・・」



『・・・ごめん・・・

口があんまり上手じゃなくて・・・』



まだ視線を下に向けている琴乃。

リュウトは落ち着いた声で

琴乃に向かって言った。



「・・・うれしいよ、ありがとう。」



それからもっと小さな声で、

今度は誰に言うわけでもなく



「・・・こんなこと言われたのは初めてだなぁ・・・」



と呟いた。



琴乃はリュウトの方へ視線だけを向けた。


リュウトは左手で両目を隠していた。



(・・・泣かせちゃったかな

・・・どうしよう・・・)



琴乃はそう思った。


口をキュッと結んだリュウトの

耳と頬の赤さには気付かず・・・


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