第31章 HermeS WorlD
橙色の光の中に、影が二つ。
大きく立派なイスに座っている人影。
その前に跪き、頭を下げている人影。
「お前には・・・
悪いことをしたと思っている・・・
すまない。」
「よいのです。
この身はあなた様のためにあるのですから。」
二つの影は動くことなく会話をする。
「・・・だが・・・」
「ふふっ。珍しいこともあるものですね。
あなた様がそんなふうでは、
皆が乱れてしまいますよ。
それでは、失礼いたします。」
跪いていた影は立ち上がり
その場を去っていった。
「・・・」
イスに座っている影は足を組み
背もたれに体重を乗せた。