第8章 復帰命令
着替えるのも面倒だから、手術着の上から白衣を羽織って食堂に入る。
着替えは面倒だけど、縛っていた髪は解く。
仕事が無い時は、そうしていないと落ち着かない。
仕事の時は、邪魔になるから仕方なく結んでいるけれど。
食堂も、時間が遅い為か空いていた。
軽く食べられそうなうどんを注文して、少し遅めの昼食を摂る。
空いている席に腰を下ろし、うどんを食べる。
行儀が悪いけど、食べながら携帯に何か連絡が入っていないか確認していると…。
「ここ、座っても良いですか?」
1人の男の人が、話しかけて来た。
彼の言うここ、とは私の正面の席のこと。
「良いですよ」
「ありがとうございます。
あ、僕双葉透って言います。
ここの看護師をしています」
ハニカミながら、自己紹介した。
この流れだと、私も自己紹介するべきなのかな。