第8章 復帰命令
ー雪sideー
私は今、ある場所に来ている。
その場所とは…。
東応医科大学救命救急センター、通称東応救命センター。
来ている、と言う表現には少し語弊があるかもしれない。
かつては、ここで外科・救命の医者として働いていた。
その後も、非常勤務医として月に数回訪れてはオペをしている。
今日も、その非常勤務医としてのオペ。
「「お疲れ様です、先生」」
「お疲れ様です、ありがとうございました」
助手としてオペ室に入ってくれた人に対してお礼を言い、手術室をあとにする。
今日は一日中オペ尽くし。
お陰で朝ご飯を食べ損ねて、お昼も時間が過ぎてしまっている。
オペのあとは脳が渇く、って何度も言っている筈なのに。
院長も人使いが荒い。
今日は早朝から深夜近くまで、オペの予定がぎっしり。
明日も同様に詰まっていると考えるだけで、軽くめまいがする。
普通は1日にこんなにやらないのにね。