第3章 甘党×フルーツ党
「雪、これ…」
「美味しいよ?」
「…」
まだ、ジッと見つめている。
どうしたら食べてくれるんだろう。
うーん…。
「はい、L」
Lのフレンチトーストをフォークに刺し、Lの口へ持って行く。
「ん…」
と、それを口に含むL。
「どう?美味しい?」
「まあまあ」
Lが “ まあまあ ” って言う時は、Lの予想を裏切った時。
つまり、美味しいってこと。
「食べ終わったら、そこ置いておいて?
片付けるから」
「…」
Lが微かに頷いたのを横目で見て、自分のお皿を片付ける。
しばらくして、カチャリ…とフォークを置く音が聞こえた。
「美味しかったです」
わざわざお皿を持って来てくれて、ぶっきらぼうにそう言う。
「良かった。
仕事、頑張ってね」
お皿を受け取り、Lの背中に向かって話す。
これで、彼の午後は保証されたようなものだから。