第11章 眠り王子の目覚め
その後緊急でオペが入り、なかなかLのところへ行くことが出来なかった。
オペが終わりカルテを整理し終えると、外はすっかり真っ暗になっていた。
もう定時は過ぎているし、医者としてではなく1人の人間としてLのところへ行こう。
コンコン。
起こしちゃうかな、とは思ったけどLは多分眠ってないと思いノックする。
「どうぞ」
やっぱり寝てなかった。
「どう?調子は」
ベッドの傍にあるパイプイスに腰を下ろし、尋ねる。
「今は少し怠いだけです。
今日は大変だったみたいですね、色々と」
「まぁね。
ねぇ、今日はここで寝ても良い?」
「あ、生殺しにする気ですね。
でも良いですよ、私も一緒に居たいので」
「ありがとう」
イスを出来るだけベッドに近づけ、布団の中でLの手を絡める。
「このくらい…良いよね?」
「勿論ですよ。
頑張ったご褒美、とでもしておいてあげます」
「ありがとう」
そして、その日はLの暖かさに安心して眠りについた。
「…私も眠るとしますか。
なぜか雪と居ると眠くなるんですよね」
改めて手を握り、目を瞑るL。