第9章 外科の要
ちょうどその時、携帯電話が鳴った。
「どうぞ、出て良いですよ」
「はい」
「あっ、雪ちゃん!
僕、松田です」
松田さん…?
「どうかしたの?そんなに慌てて」
なんで番号知ってるんだろう。
「えっ、Lが…Lが倒れたんですっ」
倒れた…?
「詳しくお願いします」
「け、敬語?Sなの?」
「違うよ、仕事の時はこうなの」
「あ、そう」
「今から言う質問に、Lを確認しながら答えてください」
「あっ、うん」
「倒れたのはいつですか?」
「正確には分からないけど…30分以内だと思う」
「呼吸はどうですか?
荒いか静かか、で答えてください」
「あ、荒い」
「顔色はどうですか?
赤いですか、青いですか?」
「赤いです」