第9章 外科の要
ーin病院ー
現在は、月に1度開かれる全医師・看護師が集まるカンファレンスの最中。
私はなぜか、最前列に座る院長の隣に座っている。
あまり目立ちたく無いんだけど…。
「えー、本日より勤務の先生を紹介します」
マイクを片手に、おもむろに口を開いた院長。
「胸腹部外科の先生で、救命に入ります」
そう言うと、こちらに視線を向ける。
挨拶しなさい、と目が物語っている。
「菅原です」
スッと立ち上がり簡潔に自己紹介を済ませ、また座る。
必要最低限の情報しか語らない。
Lと一緒に居れば、自然と身につく。
L以外の人から名前で呼ばれても、嬉しくなんかないし。