第8章 復帰命令
「余計な邪魔が入りましたが、話を続けます」
気を落ち着けてから、口を開く。
まるで、何も無かったかのように。
「私の考えとしても、後者の確率の方が高いと考えています」
「誰かが、故意に粧裕を…!
しかし、なんで君がそんなことまで知っているんだ?」
夜神さんがチラリ、とこっちを見たけどまだ頭が覚醒していないので答えられない。
いつもこうなんだよね、反転剤を使わなくてもボーッとする。
「彼女が応急処置したからですよ」
喋らない雪に代わって、説明するL。
「そうか…。
君が、菅原雪と言う者なんだな」
「え…?」
私、本名名乗ってないよね?
Sも名乗ってないよね?
「どうして名前を知ってるんです?
私も雪も、フルネームで紹介してませんよね?」
雪の反応から、事実であることは悟られてしまっている。