第8章 episode6
家に帰ると姉ちゃんが俺を見てびっくりしていた。
「璃玖斗、どうしたの?」
なんで、なんでだよ。
「別に」
「別に、ってちょっと!」
なんでそんなに優しくするんだよ!!
喧嘩したの?馬鹿じゃない。とかさ...
喧嘩してる暇あるなら手伝いなさいよ。とかさ...
「放っておけよ!!!」
無理なんだよ。
優しくされるともっと好きになる。
そしたらもっと苦しくなって余計にツラくなる。
こんなの、悪循環だろう?
なのに俺は...
「なに、するの...璃玖斗」
姉ちゃんを傷つけてしまったんだ。