第8章 episode6
シスコンなんてのは、姉が大好きな単なるバカな弟のことだ。
俺は、そのジャンルの1人だと思ってた。
けど、さいきん気づいた。
姉ちゃんがアイツらアイドル野郎と楽しくしててモヤモヤしたり仲良く話してるだけでイライラしたりするのも。
離れそうで不安なることも、姉ちゃんのために高いアクセサリー、わざわざバイトしてプレゼントしたり。
気を引くためだけに、こんな必死になる俺は馬鹿なのかな。
それとも、好き....なのかな...
うん、きっとそうなんだ。
好きなんだよ。
「おい七嶺」
「あ?」
目の前に現れたのは、ガラの悪い輩と見覚えのある女だった。